普通に見られるシダである。根茎は短く匍匐し、斜上して群生する。葉柄は長さ20~30㎝、直径3~4㎜、茶褐色~黒褐色の鱗片がやや密につくが落ちやすい。葉身はやや光沢のある緑色、洋紙質、若葉は紅色になることが多く、長さ40~60㎝、幅15~25㎝の長楕円形~卵状長楕円形、2回羽状複葉。葉先は急に細くなることが多いが、しだいに細くなることもある。羽片は15~20対つき、長さ15~20㎝、幅4~6㎝の披針形、先が尾状にのびる。小羽片は10~15対つき、長さ2~3㎝、幅8~12㎜、浅裂~鋸歯縁。
最下羽片の下向き第1小羽片は小さい。中軸や羽軸に袋状の鱗片がやや密につく。ソーラスは中間~やや中肋寄りにつき、包膜は中央が紅色、全縁。包膜が白色のものは
ミドリシダ(ミドリベニシダ)という。
キノクニベニシダは葉先が急に細くならず、最下羽片の下向き小羽片が深裂することが多く、中軸が赤色を帯びる。また、包膜も全面紅色~中心紅色と全体に紅色が強い。
トウゴクシダは葉先がやや急に細くなり、最下羽片の下向き小羽片がやや大きく、包膜が白色で、小さい。
オオベニシダは葉の幅が広く、黄緑色で、包膜が大きく、白色。
サイゴクベニシダは葉の質が厚く、小羽片の基部が耳状に広がり、ソーラスがやや辺縁寄りにつく。
ヤマイタチシダなどのイタチシダ類は最下羽片の下向き第1小羽片が大きい。