ベニシダに似ていて、ベニシダと同じような場所に生育する。和名は愛知県の名古屋市と瀬戸市との境界にある名古屋市最高峰の東谷山(とうごくさん)に由来する。3倍体融合生殖であり、ベニシダの変種として分類する見解もある。
根茎は短く斜上し、叢生する。葉柄基部の鱗片が黒褐色で、中軸や羽軸にも鱗片がある。葉身は紙質、柔らかく、表面にやや光沢があり、広卵形、2回羽状複葉で、最下部の羽片が最も長い。葉先は急に細くなるがベニシダほどではない。羽片の柄はベニシダより短い。小羽片は卵状長楕円形で、浅裂~深裂し、縁が波打つように見える。最下羽片の第1小羽片は明瞭に切れ込んだ裂片があり、やや長いこことが多く、ベニシダより長い。上部や羽片の先端の小羽片は基部の後側が羽軸に流れるようにつき、下部の小羽片には短い柄がある。ソーラスは小さく、やや中肋寄りにつく。包膜は赤くならない。3倍体、2n=369
サイゴクベニシダは中軸まで鱗片が厚く密生し、葉質が厚く、ソーラスが縁寄りにつく。