ベニシダの包膜が白色の品種であり、紅色にならない。ベニシダは変異が多く、包膜が赤くならないエンシュウベニシダなどと間違えやすい。葉身はやや光沢のある緑色、洋紙質。葉柄や中軸の鱗片は茶褐色~黒褐色、全縁。中軸や羽軸に袋状の鱗片が多い。小羽片は浅裂~鋸歯縁。
エンシュウベニシダ Dryopteris medioxima は葉が光沢のある中厚革質。鱗片は光沢が少なく、灰褐色~汚褐色、縁に突起がほとんどない。ソーラスが中肋寄りにつく。小羽片の基部が広く、鈍鋸歯縁。葉形は広卵形、サイゴクベニシダに似る。マルバベニシダと同一とする見解もあるが、若葉が赤色を帯びない。
マルバベニシダ Dryopteris fuscipesはソーラスの位置がエンシュウベニシダに似るが、鱗片が光沢のある赤褐色~褐色、全縁。小羽片の基部が広く、鈍頭、全縁。若葉が赤くなる。
サイゴクベニシダ Dryopteris championii は葉身が厚い革質。鱗片は幅がやや広く、縁に鋸歯がある。ソーラスがやや縁寄りにつく。