マツゲゴケによく似るが、ソラリアをつけた裂片の腹面が黒色。
葉状地衣。地衣体は直径4~20㎝、群生することも多く、深裂し、多くの裂片に分枝し、裂片の幅は5~15㎜、裂片の先は円い。裂片はさらに細かく歯状に分裂し、その先端に枕状のソラリア(粉芽塊)をつける。背面は淡灰色~緑灰色、網目模様(マキラ)がある。裂芽はつけない。葉体腹面は中央部が黒色、縁部が狭く褐色~稀に白色、縁に長さ3㎜以下のシリアがある。ソラリアをつけた裂片の腹面は黒色、白色にならない。偽根は黒色。髄層は白色。
子器は稀、やや縁生、直径8㎜以下。盤は褐色~暗褐色、凹面。胞子は透明、長さ12~18µm、幅8~11µm、惰円形。スポットテスト 皮層:K+黄色,
C-, KC-, P+黄色 髄層: K+ 黄色後に血赤色, C-, KC-, P+橙色。二次代謝物質は皮層にアトラノリンとクロロアトラノリンを含み、髄層にサリチン酸、consalazinic
acid を含む。
マツゲゴケ Rimelia clavulifera はオオマツゲゴケに非常によく似ている。ソラリアをつけた裂片の先の腹面が白色になる。
チヂレマツゲゴケは関東地方以西の低地の樹枝に着生する。背面に裂芽があり、縁に長さ1~2㎜の長いシリアがある。,髄層: K+黄色 ,C- ,
P+赤色 、アトラノリン、スチクチン酸を含む。
オオチヂレマツゲゴケCanomaculina subtinctoriaは関東以西、温帯に広く分布し、樹幹、樹枝、岩上に着生する。縁に長いシリアがあり、裂芽がある。背面に白斑や亀裂がある。裏面の周囲が褐色、偽根はやや密で、縁近くまである。髄層:
K-又は赤色, KC+赤色。アトラノリン、ノルバリドン、サラチン酸を含む。
ニセマツゲゴケはマツゲゴケに似て、同様な場所に生える。縁のシリアが目立ち、裂片の縁付近の裂芽が粉芽化する。ソラリアはない。髄層: K- ,
C- , KC+紅色, P- 、アトラノリン、アレクトーロン酸、ロドフィシンを含む。
ナミガタウメノキゴケは裂片が波打ち、縁に粉芽をつけ、粉芽をつけた裂片は腹面が白くなる。シリアがない。
ウメノキゴケは最も普通に見られ、縁のシリアがなく、背面の中央に裂芽を生じる。