ホソバイヌワラビ  細葉犬蕨
[中国名] 长江蹄盖蕨 chang jiang ti gai jue
[学名] Athyrium iseanum Rosenst.
イワデンダ科   Woodsiaceae メシダ属
三河の植物観察
ホソバイヌワラビ葉の軟刺毛
ホソバイヌワラビのソーラス
ホソバイヌワラビのソーラス2
ホソバイヌワラビ
 根茎は短く、直立し、褐色の披針形の鱗片を密生し、叢生する。葉柄は長さ10~25㎝、直径1~2.5㎜、上部はほぼ無毛、淡緑色~わら色、下部は黒褐色、基部には鱗片をつける。葉身は柔らかい草質、乾くと緑褐色、長さ(10) 18~45㎝、中部の幅(6)11~14㎝の楕円状卵形、2回羽状複葉。羽片は10~20対つき、披針形、長さ3~4㎜の柄がつく。最下の羽片は上のものより2~5㎝短く、下から2番目の羽片は長さ 6~10㎝、幅2~2.5㎝の披針形。小羽片は10~14対つき、 基部は対生し、先は互生し、互いに近く、狭楕円形~狭卵形で、中裂~深裂して、鈍頭~鋭頭。基部の小羽片は長さ1~1.3 ㎝、幅4~5㎜。裂片は4~6対、数個の鋭鋸歯、基部前側が大きくなる。側脈は2~3(5)対、上側の脈は分岐する。羽軸と小羽軸の背面に白色の軟刺毛があり、腹面の中肋に短い(約0.1㎜)腺毛がある。ソーラス(sori)は楕円形~J形~馬蹄形~円腎形で、中肋寄りにつく。包膜は膜質、全縁。2n=80,160
 イヌワラビは根茎が長く、羽片が鎌形に曲がることが多く、羽片に長い柄がつき、小羽片の幅がやや狭い。包膜の縁は微細不整歯。
 ミヤコイヌワラビAthyrium frangulum(=Athyrium imbricatum ) は葉柄や中軸が鮮紅色になり、小羽片が左右相称であり、羽軸の裏面の微毛がない。
 ダンドイヌワラビform. viride はミヤコイヌワラビの葉柄や中軸が赤くならない品種。
 ヤマイヌワラビは軟刺毛がなく、硬い草質で、羽片にはほとんど柄がない。
 サトメシダは葉柄が緑色で、軟刺毛がなく、小羽片が左右相称であり、包膜の縁が細かく裂ける。
[草丈] 25~70㎝
[生育形態] 夏緑性
[生育場所] 山地のやや湿った林下
[分布] 本州(東北地方以南)、四国、九州、朝鮮、中国、台湾
[撮影] 葦毛湿原付近  04.9.25
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