ヘリトリモジゴケ属 Leiorreuma に分類される前はクロミモジゴケ属 Phaeographis に分類されていた。
ヘリトリモジゴケ Leiorreuma exaltatum = Phaeographis exaltata は地衣体が灰緑色~黄灰色~暗緑色、直径10㎝以上になる。子器は地衣体から突出し、縁に白色の明瞭な縁取りがあり、長さ2~5㎜、幅約1(0.3~0.5)㎜、盛り上がり、円形になったり,
細長くなったりし、よく分岐する。盤に薄い灰白色の粉霜がある。 果殻がよく発達する。子嚢は8胞子。胞子が淡褐色~暗褐色、長さ(13)25~31µm、幅7~11µm、6(~10)室。二次代謝物質は含まないか又はスチクチン酸を含む。
ナマリモジゴケ Leiorreuma vicarians=Phaeographis vicarians は子器がよく似ており、地衣体から突出し、子器の果殻は底部まで炭化し、盤に白色の粉霜が多い。胞子は褐色、長さ20~30µm、6室。本州(宮城県以南)四国、九州、沖縄、小笠原諸島に分布する日本固有種。
ヤクシマモジゴケLeiorreuma yakushimense は屋久島だけに産する日本固有種。子器は地衣体から突出し、縁は上部近くまで地衣体に被われる。盤は黒色、凹面、粉霜はない。果殻は基部で厚く炭化し、側部は褐色で下部は黒色。子嚢層は顆粒を含む。胞子は褐色、長さ35~40µm、幅8~10µmの長楕円形、8~–9個の隔壁がある。ヒポスチクチン酸(major)
、ヒポサラチン酸 (minor) とビオキサンチン (minor) を含む。
以下のクロミモジゴケ属 Phaeographis もやや似ている。
ボンジゴケ Phaeographis asteriformis、コフキモジゴケ Phaeographis pruinosa 、エダモジゴケ
Phaeographis dendritica、ホシガタキモジゴケPhaeographis circumscripta、スギノウエノモジゴケ
Phaeographis laevigata、チャボンジゴケPhaeographis fuscodisca、Phaeographis planiuscula
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