薄暗い山道のコンクリート側溝に生えていたものである。近くにツルチョウチンゴケやトヤマシノブゴケの群生もあった。
茎は長さ 10~35(50)㎜、葉を含めて幅3.5~5.0㎜、 稀にしか分枝せず、12~35(China Moss:13~58)対の葉を扁平につける。下部の葉は小さく、上部の葉は大きい。上中部の葉は長さ2.5~4.0㎜、中部の葉幅0.7~0.8㎜の披針形、鋭頭。腹片は葉身の長さの約2/3長。葉身は厚さが1~2細胞層、上翼は2細胞層。葉縁は1細胞層の厚さであり、3~4列の明るい細胞が全周にあって、明瞭な帯び状の縁取りのようになる。上部の葉縁には鶏冠状の不規則な鋸歯があり、これが和名の由来である。中肋は葉先に達する。背片の葉身細胞は長さ6~10μm(China
Moss :10~11μm)の円形~丸みを帯びた六角形、厚壁、厚角。雌雄異株。雄植物は雌植物の葉上につき、長さ約1㎜。蒴は茎中部につき、蒴柄は長さ5~8㎜、平滑。蒴は長さ1.8㎜以下、傾いてつき、非相称。胞子は直径13~20µm。n=12
コホウオウゴケも葉先近くの葉縁の3~4列の細胞が薄い。葉は長さ1.5~2.25㎜と小さく、腹翼の細胞には3~4個のパピラがある。
ハネホウオウゴケは濡れた岩上に生え、茎が分枝しない。
ホウオウゴケは濡れたところに生え、葉が大形。
ナガサキホウオウゴケも濡れた岩上に生え、やや葉が小形で、茎に葉が多数つき、長くなる。