マツムラゴケ  松村蘚
[中国名] 美绿锯藓 mei lu ju xian
[学名] Duthiella speciosissima Broth. ex Cardot
ムジナゴケ科  Trachypodaceae ノコギリゴケ属
三河の植物観察
マツムラゴケ枝
マツムラゴケの葉先
マツムラゴケの葉縁の歯
マツムラゴケの葉基部
マツムラゴケの葉基部の翼
マツムラゴケ
マツムラゴケ葉
マツムラゴケ葉
マツムラゴケ葉身細胞
 茎は這い、長さ10~15㎝、やや不規則な羽状に分枝し、葉がやや扁平に密につく。茎葉と枝葉は差がほとんどない。葉はあまり光沢がなく、葉身が波打ち、長さ3~4(5)㎜、幅1.5~2㎜、基部は卵形、両翼はわずかに耳状になり、先は長さ漸尖し、葉縁に明瞭な歯がある。茎の側方につく葉は基部が円く、強く狭まり非相称。中肋は1本、葉先よりかなり下で終わる。上部~中間の葉身細胞は長さ15~30µm(China Moss:長さ30~40µm、幅5~7µm)の狭六角形~線形(長斜方形)。薄壁、表面に1個のパピラがある。細胞の長さと幅は3~6:1.葉縁の細胞はさらに長く、平滑。翼細胞は短い。蒴はまれ。蒴柄は長さ2.5㎝~5㎝。n=10 , 11。
 ノコギリゴケ Duthiella flaccida は葉が長さ1.5~1.8㎜と小さく、葉身細胞に2~6個の小さいパピラがある。
 イワノコギリゴケ Duthiella wallichii は葉があまり扁平につかず、長さ3~3.5㎜、葉先が短く尖り、長くならない。葉身細胞は長さ20~40µmの長菱形~六角形、長さと幅の比が1~2.5:1、下部の細胞も線形にならない。.
 オニゴケ Pseudospiridentopsis horrida は熊本県、屋久島、中国、ネパール、インド、フィリピンに分布する。葉が長さ6~9㎜と大型。葉身細胞は長さ25~40µm、幅4~6µm、厚壁、壁にくびれがある。細胞のパピラは1個、小さい。
 ムジナゴケTrachypus bicolor 葉は長さ1.5~5㎜、光沢が無く、下部の葉は黒色になることが多い。葉縁の歯は目立たない。葉身細胞は長さ40~50µm、長六角形~線形、壁に沿って小さなパピラが多数つく。長さと幅の比が2~8:1。 
[分類] 蘚類
[草丈] 10~15㎝(長さ)
[生育場所] 日陰の湿った岩上、地上
[分布] 在来種  本州(関東地方以西)、四国、九州、中国
[撮影] 新城市   14.7.31
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