きのこ図鑑
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  ニセフウセンタケ  偽風船茸
学  名 Cortinarius duracinus Fr.
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 フウセンタケ科   Cortinariaceae  フウセンタケ属
 傘に繊維紋があり、ひだは直生、やや密、柄が便腹形~円柱形、白色繊維状、白色の不完全なつばがあった。
 秋に広葉樹ときに針葉樹の下に単生~散生する。傘は直径3~7㎝、円錐形~中高扁平~縁は長い期間内巻き、表面は黄褐色、辺縁はやや淡色、放射状の条線や小じわがあり、白色絹糸状繊維が覆い、縁が放射状に裂けやすく、乾くと肌色に近くなる。柄は長さ5~11㎝、幅0.7~1.3㎝、便腹形~やや便腹形~円柱形~中間がやや細いものもあり、基部は細く、質が堅く、中実。柄の表面は白色、繊維状。つばは上部につき、消失しやすい。ひだは直生~(上生~)湾生、やや疎、幅が広く、ひだの縁が鋸歯状、黄褐色~鉄銹色。肉は汚白色、表皮下は表面色。無味無臭。胞子は長さ9~11µm、幅5~6µm、紡錘形、表面に微細な疣がある。
ニセフウセンタケ
ニセフウセンタケ2
発生時期
大 き さ 小型~中型  直径3~7㎝
栄養摂取 菌根菌
発生場所 広葉樹ときに針葉樹の林下の地上
分  布 日本、ヨーロッパ、北アメリカ
食  毒 不明
撮  影 岡崎市 16.10.27
ニセフウセンタケ傘2
ニセフウセンタケひだ
ニセフウセンタケひだ2
ニセフウセンタケ柄
【類似種】
 キツバフウセンタケ Cortinarius hinnuleusは北半球に広く分布。中国名は浅黄褐丝膜菌。夏~秋にブナ科樹林下に散生~群生する。傘は直径2~6㎝、円錐形~饅頭形~扁平、中央が突出し、黄土色~黄土褐色、表面は多少、放射状の条線や小じわがある。柄は細く、長さ4~10㎝、幅0.2~0.6㎝、上下同径、(髄状~)中空、黄土色、後に褐色を帯び、絹状~繊維状、上から約1/3の位置に黄白色の不完全なつばをつける。肉は表面と同色、無味、温和臭。胞子は長さ7~10(11)µm、幅4~6(7)µm、楕円形~紡錘形~アーモンド形、表面に微細な疣がある。
 サザナミニセフウセンタケ Cortinarius obtusus は北半球に広く分布する。発生時期が中国では夏~秋、ヨーロッパや北アメリカでは春~秋、日本では秋とされる。全体に質が薄くもろい。傘は直径3~6㎝、円頭の円錐形~中丘扁平~扁平、中央に突起~丸山があり、傘の縁に細かい切れ込みがある。背面は全面に放射状に細かい小皺と繊維状の鱗片があり、湿ると光沢があり(hygrophanous)、中央が栗褐色~赤褐色、周縁が淡色、縁の条線が見え、乾くと消えて黄土色~淡黄褐色(淡なめし革色)になる。柄は長さ4~8㎝、幅4~8㎜、上下同径、多少、波形に湾曲し、中空、表面は汚白色~淡黄褐色、絹状光沢があり、繊維状。つばはクモの巣状、消失性又は欠く。ひだはやや疎につき、直生~上生~湾生、叉状分岐があり、白色~黄土色~ニッケイ色。肉は薄く、白色、無味無臭(北アメリカ:ラディッシュの強い臭)。胞子紋は銹赤色。胞子は淡銹色、長さ7~9.5µm、幅4.5~5µmの楕円形~ややアーモンド形、表面に微細な疣がある。シスチジアは無い。
 カブニセフウセンタケCortinarius scandens は同じような分布域、同じ発生場所であり、よく似ている。発生時期が秋に限られる。傘は直径2~3.5㎝、円錐形~中丘扁平、中央に突起(umbo)があり、平滑、湿ると光沢があり(hygrophanous)、周縁に条線が現れ、黄褐色、乾くと条線が消え黄土色。柄は長さ3.5~7(6~10)㎝、幅4~8(2~5)㎜、上下同径、中空、多少、波形に湾曲するものもあり、黄白色、下部は黄褐色の繊維がつきやや暗色になる。ひだはやや疎につき、直生~上生、幅3~5㎜、黄土色~褐色。肉は帯褐色、無味無臭(北アメリカ:帯黄色、ヨウ素に似た微臭、温和味)。胞子紋は銹褐色。胞子は長さ7~9.5µm、幅4.5~5µmの楕円形~紡錘形(広卵形)、表面に微細な疣がある。シスチジアは無い。不食。
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